本研究室では、人々の知の伝達・気づき・創造を促進するための、知的情報環境のあり方を考えることを目的として、研究を行っています。常に新しい教育の方法や教材、機材を取り入れ、科学的知見に基づいて発展させながら工夫をすることを重視します。教育・学習活動を情報のやり取りという観点から捉えて、ICTを利用し、教育や学習に関する問題を明らかにして、解決手法を提案し、実際に教育の役に立つようなシステムを構築し、適切な教育・学習の支援方法を検証しています。単にシステムを設計・開発・評価するだけでなく、現場(フィールド)での実践を重視することによって、全体を改善していくアプローチを提案してきます。

これまで、モバイルやSNS、テキストマイニングなどの情報基盤技術の発展と共に、新たな課題を発見し、研究を推進しています。主な下記のような研究を行っています。

モバイル・ユビキタス学習環境(2003年~): モバイル・ユビキタス学習環境の研究事例として、日本語の敬語表現の学習を支援するシステムを挙げます。ユビキタス学習環境の導入により、学習者の周囲にいる他の学習者の情報を用いることで、適切な敬語の表現を提示し、日本語の敬語を勉強している外国人留学生の学習を支援するシステムを開発しました。

ソーシャルラーニング(2008年~): 学習者がお互いに助け合って語学学習ができるようにするため、SNS による協調学習を支援するユビキタスシステムを提案・開発しました。この研究では、適切な相手を探す方法や適切な依頼ルートを推薦する方法を明らかにしました。この重要性が認められ、その発展となる研究は科研費の助成を受けています。(若手研究(b)課題番号21700816)

研究動向調査のための学習支援環境(2011年~): テキストマイニング技術を利用して研究動向調査のための学習支援をする検索エンジンを開発しました。台湾の大学生に本システムを使ってもらって評価した結果、本システムは一般の検索エンジンより学習効果があることが明らかになりました。その発展となる研究は科研費の助成を受けています。(若手研究(b)課題番号25750084)

教育ビッグデータ (2014年~): 私が「教育ビッグデータの利活用」プロジェクトにおいて、下記のような研究を行いました。2015年4月から「情報科学(2014)」という授業で収集した98名のBooklooperの学習ログを利用し、成績に関係ある学習行為に対するクラスタリングを行い、学生をグループ分けして、多重比較検定(Post hoc)を行い、各グループの特徴の分析を行った結果、下記の3つの発見ができました。 ① 予習を除いて同じ学習行為をしている学生の成績は、予習回数には関係なく同程度であります。 ② よく繰り返して読んでいる学生はあまり時間を使わずに勉強できます、即ち、効率的に勉強していることが分かります。 ③ 繰り返し率が高いだけでは良い成績は取れず、ある程度時間をかけて勉強する必要があります。(NICT受諾研究178A03)